企業経営理論 平成28年度 第8問 バリューチェーン


平成28年度 第8問 バリューチェーン


競争優位の源泉を分析するには、バリュー・チェーン(価値連鎖)という概念が有
効である。バリュー・チェーンに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 差別化の効果は、買い手が認める価値と、自社のバリュー・チェーンのなかで
作り出した特異性を生み出すためのコストが同水準になった時に最大化する。

イ バリュー・チェーン内で付加価値を生み出していない価値活動に関して、アウ
トソーシングなどによって外部企業に依存する場合、企業の競争力を弱めてしま
う。

ウ バリュー・チェーンの各々の価値活動とともに、それらの結び付き方は、企業
の独特な経営資源やケイパビリティとして認識することができる。

エ バリュー・チェーンの全体から生み出される付加価値は、個別の価値活動がそ
れぞれ生み出す付加価値の総和であり、各価値活動の部分最適化を図っていくこ
とが、収益性を高める。





解答解説

ア 差別化の効果は、買い手が認める価値と、自社のバリュー・チェーンのなかで
作り出した特異性を生み出すためのコストが同水準になった時に最大化する。
×:適切でない
買い手の価値=コストではなく、買い手の価値>コストとなった時に、差別化の
効果が有るといえる。

イ バリュー・チェーン内で付加価値を生み出していない価値活動に関して、アウ
トソーシングなどによって外部企業に依存する場合、企業の競争力を弱めてしま

×:適切でない
付加価値を生み出していない活動であれば、その活動を外部に依存しても、
競争力をが弱まることはない。

ウ バリュー・チェーンの各々の価値活動とともに、それらの結び付き方は、企業
の独特な経営資源やケイパビリティとして認識することができる。
○:適切である
*ケイパビリティとは、組織力のこと

エ バリュー・チェーンの全体から生み出される付加価値は、個別の価値活動がそ
れぞれ生み出す付加価値の総和であり、各価値活動の部分最適化を図っていくこ
とが、収益性を高める。
×:適切でない
バリューチェーンの付加価値とは、総和ではなくそれ以上の価値を持つものであ
る。また、バリューチェーンの基本的な方針は全体最適化である。

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