企業経営理論 平成30年度 第13問 海外進出

平成30年度 第13問 海外進出

わが国の企業が東南アジアの新興国に進出する場合に考慮すべき戦略的な課題に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 海外戦略の一環としてリバースイノベーションを展開するには、現地のニーズ
に適合的な製品の開発能力が鍵になるので、研究開発機能の本国への統合が必要
である。

イ 現地市場のボリュームゾーンで、売上を伸ばしている模倣部品を組み込んだ現
地企業の廉価品に対抗するためには、自社の高性能部品を組み込んだ高価格な高
機能製品を現地生産しなければならない。

ウ 電子製品や自動車などでは現地生産の進展にともなって系列を超えた域内取引
が拡大しているので、日系サプライヤーにとっては現地での開発力や柔軟な生産
対応力の強化が重要になる。

エ 東南アジアへの進出では海外直接投資による資産の所有が市場の成長への対応
を鈍くするので、現地生産による内部化を避けてライセンシングによる生産委託
を選択しなければならない。

オ 輸出代替型の東南アジア進出では、現地子会社で売れ筋の量産品の生産能力を
高めることができれば、顧客密着を狙ったマスカスタマイゼーションを実現でき
る。




解答解説

ア 海外戦略の一環としてリバースイノベーションを展開するには、現地のニーズ
に適合的な製品の開発能力が鍵になるので、研究開発機能の本国への統合が必要
である。
☓:適切でない
現地ニーズに適合的な製品開発を促進するためには、研究開発機能を現地に持た
せることが有効である。

イ 現地市場のボリュームゾーンで、売上を伸ばしている模倣部品を組み込んだ現
地企業の廉価品に対抗するためには、自社の高性能部品を組み込んだ高価格な高
機能製品を現地生産しなければならない。
☓:適切でない
現地市場のボリュームゾーンで売上を伸ばしている、模倣部品を組み込んだ現地
生産の廉価品に対応できる商品が高価格高機能製品であるとは考えににくい。
また、現地生産しなければいけない。ということはない。

ウ 電子製品や自動車などでは現地生産の進展にともなって系列を超えた域内取引
が拡大しているので、日系サプライヤーにとっては現地での開発力や柔軟な生産
対応力の強化が重要になる。
○:適切である

エ 東南アジアへの進出では海外直接投資による資産の所有が市場の成長への対応
を鈍くするので、現地生産による内部化を避けてライセンシングによる生産委託
を選択しなければならない。
☓:適切でない
海外直接投資による資産の所有は市場の成長への対応策を早める。また、内部化を
避けて、ライセンシングによる生産委託を選択しなければならないということ
はない。

オ 輸出代替型の東南アジア進出では、現地子会社で売れ筋の量産品の生産能力を
高めることができれば、顧客密着を狙ったマスカスタマイゼーションを実現でき

☓:適切でない
輸出代替型の進出で、国内生産品の輸出に代替し、海外直接投資により現地での
生産に進出し、売れ筋の量産品の生産力を高めることは、マスカスタマイゼー
ション(コンピュータを利用した柔軟な製造システムで特注品を製造すること)
との関連性はない。

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