企業経営理論 平成30年度 第31問 製品開発




平成30年度 第31問 製品開発

製品開発に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 「製品アイデア」とは企業が市場に提供する可能性のある製品を指すが、「製品
コンセプト」といった場合には、これを顧客の立場から捉え、その製品が誰に
とって、どのような時に、どのような問題解決をするものであるかを表現したも
のである。

イ 製品開発においては、顧客の潜在的な欲求や期待についての情報を様々なリ
サーチ手法を用いて捕捉し、そうしたニーズに基づいた開発を行うことが革新的
な製品アイデアを導くための定石である。

ウ 製品開発の出発点は、新製品のアイデアを創出する過程であるが、そこでは社
内外双方での情報収集が行われる。そのうち、社内におけるアイデアの源泉は研
究開発部門と経営トップの 2 者に集約化されている。

エ 製品ライフサイクルの成熟期に差し掛かった製品のマーケティングにおいて
は、ユーザー数の拡大によって製品の売上向上を図る「市場の修正」と製品価格の
値下げによる需要喚起を狙った「価格の修正」の 2 つの組み合わせによるリポジ
ショニングを実施する必要がある。





解答解説

ア 「製品アイデア」とは企業が市場に提供する可能性のある製品を指すが、
「製品コンセプト」といった場合には、これを顧客の立場から捉え、その製品
が誰にとって、どのような時に、どのような問題解決をするものであるかを表
現したものである。
○:適切である

イ 製品開発においては、顧客の潜在的な欲求や期待についての情報を様々なリ
サーチ手法を用いて捕捉し、そうしたニーズに基づいた開発を行うことが革新的
な製品アイデアを導くための定石である
☓:適切でない
顧客のリサーチに基づいた開発を行うことは一般的に有効ではあるが、革新的な
製品アイデアを導くための布石だとはいえない。

ウ 製品開発の出発点は、新製品のアイデアを創出する過程であるが、そこでは
社内外双方での情報収集が行われる。そのうち、社内におけるアイデアの源泉は
究開発部門と経営トップの 2 者に集約化されている
☓:適切でない
社内外で情報収集が行われることは正しい。アイデアの源泉は、製造部門やその他
の関係者から得られることもあるので、2社に集約化されているわけではない。

エ 製品ライフサイクルの成熟期に差し掛かった製品のマーケティングにおいて
は、ユーザー数の拡大によって製品の売上向上を図る「市場の修正」と製品価格の
値下げによる需要喚起を狙った「価格の修正」の 2 つの組み合わせによるリポジ
ショニングを実施する必要がある
☓:適切でない
リポジショニングとは、ブランドのターゲットを見直し、再活性化を図ること。
成熟期に差し掛かった製品はユーザー数がそもそも頭打ちで、拡大を見込めない
為、「市場の修正」が有効とは言えない。また、「価格修正」による値下げは収益
の低下に繋がるので、こちらも有効ではない。これらが成熟期の施策としてふさわ
しくない。

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