企業経営理論 平成30年度 第8問 企業変革・イノベーション

平成30年度 第8問 企業変革・イノベーション

企業変革は、経営者にとって重要な戦略的課題である。企業におけるイノベーションと変革に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 企業内起業家制度は、組織内で自律した位置づけと経営資源を与えられるベン
チャー・チームを活用することがあり、イノベーションを生み出す企業家精神、
哲学、組織構造を内部に発展させようとする試みである。

イ 企業の戦略的な優位を達成するために、製品・サービス、戦略と組織構造、組
織文化、技術の変革に取り組む必要があるが、これらの個々の変革は他と切り離
して実行でき、各々の変革の結果は相互に独立的である。

ウ 製品イノベーションを戦略的に達成するには、水平的連携が必要となるが、水
平的連携は、新製品にかかわる各々の部門が外部環境における関連する領域と卓
越した連携を持つことである。

エ 製品イノベーションを戦略的に達成するには、バウンダリー・スパンニングが
必要となるが、バウンダリー・スパンニングは、技術、マーケティング、生産の
各担当者が、互いにアイデアや情報を共有することである。

オ リエンジニアリングは、事業プロセスの急激な設計変更に対応し、プロセスよ
りも職務を重視した部門の専門化の取り組みであり、組織文化、組織構造、情報
技術に対して逐次的変化を引き起こすため、従業員が不安や怒りで反応する場合
がある。




解答解説

ア 企業内起業家制度は、組織内で自律した位置づけと経営資源を与えられるベン
チャー・チームを活用することがあり、イノベーションを生み出す企業家精神、
哲学、組織構造を内部に発展させようとする試みである。
○:適切である

イ 企業の戦略的な優位を達成するために、製品・サービス、戦略と組織構造、組
織文化、技術の変革に取り組む必要があるが、これらの個々の変革は他と切り離
して実行でき、各々の変革の結果は相互に独立的である。
☓:適切でない
個々の変化は他と関連性がある為、変革の結果は独立的でない。

ウ 製品イノベーションを戦略的に達成するには、水平的連携が必要となるが、
平的連携は、新製品にかかわる各々の部門が外部環境における関連する領域と卓
越した連携を持つことである。
☓:適切でない
水平的連携とは、企業内で各部門が横に連携するという意味であり、外部との連携まで拡大するという意味はない。

エ 製品イノベーションを戦略的に達成するには、バウンダリー・スパンニングが
必要となるが、バウンダリー・スパンニングは、技術、マーケティング、生産の
各担当者が、互いにアイデアや情報を共有することである。
☓:適切でない
ここでのバウンダリー・スパンニングとは、オープン・イノベーションの関連で、外部との壁を越えるという意味である。社内で情報を共有し、部門の壁を越えるという意味ではない。

オ リエンジニアリングは、事業プロセスの急激な設計変更に対応し、プロセスよ
りも職務を重視した部門の専門化の取り組みであり、組織文化、組織構造、情報
技術に対して逐次的変化を引き起こすため、従業員が不安や怒りで反応する場合
がある。
☓:適切でない
BPRのことを指していると思われる。劇的に組織の職務を変革させることを意味
する為、逐次的(順を追ってつぎつぎに)という表現が誤りである。

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