企業経営理論 平成28年度 第18問 危機管理(クライシスマネジメント)


平成28年度 第18問 危機管理(クライシスマネジメント)

現代の複雑な環境においては、確率的に計算しうるリスク管理を超えて、不測の
事態に備える危機管理(クライシス・マネジメント)が重要になってきている。一般
に危機が発生すると、まず最初に危機管理チームが編成され、危機管理センターが
設置される。組織の危機管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 危機管理チームと危機が起きている現場とのコミュニケーションが確保できれ
ば、危機管理チームは現場に対し、何を行うべきかだけでなく、いかに行うべき
かについても集権的に意思決定することが望ましい。

イ 危機管理チームは、時間の切迫と過重な負荷の中で迅速に意思決定をしなけれ
ばならないために、組織内の諸資源を十分な自由裁量を持って動員する権限を持
つ必要がある。

ウ 危機管理チームは、問題の技術的局面を解決できる役員の他に、社長や法務担
当・広報担当役員などのトップマネジメント、時には外部のコンサルタントなど
も含めて構成する必要がある。

エ 危機発生時には通常の情報伝達システムが破壊されている場合が多いので、常
に情報伝達が途絶しないよう注意し、状況に変化があった場合はもちろん、変化
がない場合にもその旨を伝える情報を提供し、従業員の心的緊張を和らげるよう
にすべきである。

オ 組織内の通常の情報伝達システムが遮断されている場合には、危機管理センタ
ーを中心として、危機管理にかかわる関係者の連絡先や、必要データの入手先な
どの情報ネットワークを迅速に確保する必要がある。




解答解説

不適切なのは ア

ア 危機管理チームと危機が起きている現場とのコミュニケーションが確保できれ
ば、危機管理チームは現場に対し、何を行うべきかだけでなく、いかに行うべき
かについても集権的に意思決定することが望ましい。
☓:適切でない
不測の事態において、現場で何を行うべきかという具体的な内容については、
全てを統括せずに現場の迅速な判断と行動に委ねることが望ましい場合もある。

イ 危機管理チームは、時間の切迫と過重な負荷の中で迅速に意思決定をしなけれ
ばならないために、組織内の諸資源を十分な自由裁量を持って動員する権限を持
つ必要がある。
○:適切である

ウ 危機管理チームは、問題の技術的局面を解決できる役員の他に、社長や法務担
当・広報担当役員などのトップマネジメント、時には外部のコンサルタントなど
も含めて構成する必要がある。
○:適切である

エ 危機発生時には通常の情報伝達システムが破壊されている場合が多いので、常
に情報伝達が途絶しないよう注意し、状況に変化があった場合はもちろん、変化
がない場合にもその旨を伝える情報を提供し、従業員の心的緊張を和らげるよう
にすべきである。
○:適切である

オ 組織内の通常の情報伝達システムが遮断されている場合には、危機管理センタ
ーを中心として、危機管理にかかわる関係者の連絡先や、必要データの入手先な
どの情報ネットワークを迅速に確保する必要がある。
○:適切である

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