企業経営理論 平成27年度 第7問 モジュール化 インターフェイスの標準化


平成27年度 第7問 モジュール化 インターフェイスの標準化

製品アーキテクチャがモジュール化するにつれて、技術戦略は変わってくる。そ
のような変化がもたらす部品メーカーの状況や、部品メーカーの変化への対応に関
する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 製品サブシステムのインターフェースが標準化されるにつれて、部品メーカー
は一定のデザインルールのもとで、独自に技術開発を進めることが可能になる。

イ 製品統合が容易になり、組立メーカーの製品が標準化されるにつれて、その収
益が低下するので、部品メーカーも収益が悪化する。

ウ 製品のサブシステム間の関係が簡素になるので、部品メーカーは部品生産技術
をめぐって、組立メーカーとの技術交流を緊密化することが重要になる。

エ 標準化された部品の生産プロセスにおける技術改良の余地がなくなり、価格競
争が激化するので、部品メーカーの収益は悪化する。

オ 部品メーカーにとっては、自社固有の独自技術を梃子(てこ)にして新規なモジ
ュール部品を開発する必要性がなくなるので、これまで取引がなかった組立メー
カーにも販路を広げることが重要になる。





解答解説

適切なものは ア

ア 製品サブシステムのインターフェースが標準化されるにつれて、部品メーカー
は一定のデザインルールのもとで、独自に技術開発を進めることが可能になる。
○:適切である

イ 製品統合が容易になり、組立メーカーの製品が標準化されるにつれて、その収
益が低下するので、部品メーカーも収益が悪化する
×:適切でない
組み立てメーカーの製品が標準化され、収益が低下しても、部品メーカーのモジ
ュール化された部品の付加価値が高く、市場シェアを高める様な例も考えられる。

ウ 製品のサブシステム間の関係が簡素になるので、部品メーカーは部品生産技術
をめぐって、組立メーカーとの技術交流を緊密化することが重要になる
×:適切でない
サブシステム間の関係が簡素になることから、擦り合わせが容易になる。
よって、交流頻度は低下すると考える。

エ 標準化された部品の生産プロセスにおける技術改良の余地がなくなり、価格競
争が激化するので、部品メーカーの収益は悪化する
×:適切でない
選択肢イと同様に、標準化された部品で価格競争が激化することは正しい。
だが、差別化した性能等を求め改良できる要素は多々有る。また、それによって
高収益化をもたらことも考えられる。

オ 部品メーカーにとっては、自社固有の独自技術を梃子(てこ)にして新規なモジ
ュール部品を開発する必要性がなくなるので、これまで取引がなかった組立メー
カーにも販路を広げることが重要になる
×:適切でない
部品メーカーにとって、新規のモジュール部品の開発をする必要がなくなるもの
ではない。より性能の高いモジュール部品を開発する意義はある。

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